ワトキンスが見たら嘆くであろう日本の道路のバカバカしさ

日本が道路整備で行っていることを、交通の発展という観点で他の交通機関に例えてみよう。
 

まずは鉄道。

大量で早い移動手段の需要があり、当然新幹線を建設すべき路線に、在来線規格の鉄道を建設すれば、線形はよくなって多少は速度が向上するけれど160km/h程度の営業運転が限界だ。これでは、交通が発展しているとは言い難い。

次に航空。

米国の航空会社がジェット機でニューヨーク〜成田の直行便を運行している時代に、日本の航空会社は、巡航速度が遅く航続距離が短いために直行できず、アンカレジで燃料補給する必要があり、信頼性も劣る前時代的なプロペラ機を導入して、燃料代も時間も余計に必要な便を設定する。などということをするはずがない。


信じられないかもしれないが、こういったバカバカしいことと同じことを、日本は道路整備で実際に続けているのだ。


幹線道路で発展というのは、対面交通の2車線道路から、一段と規制速度や平均速度が高いくて事故も少ない高規格道路網を築くことになるが、それは特別な路線以外にはつくられない。高規格でないとしても平均速度が80km/h程度は出る規格の道路を整備すべき路線に、40km/hも出ない事故発生率が高い信号交差点のある道路を建設している。これがまさに上記の例に当てはまる。


その上、本当の幹線だけとはいえ、せっかく建設した通称「高速道路」も、料金が高くて十分に使われていない。これを再び航空に例えてみよう。

ニューヨーク〜成田間の航路を独占している航空会社が、ジェット機とプロペラ機の両方を就航させている。
そして、ジェット機はジェット料金がとても高いため、急ぐ必要がある場合やお金に余裕がある場合に利用するのが一般的となっており、普通はプロペラ機に乗るのがあたりまえと思っている。そのため、ジェット便は多客期を除けば空いており、収益性も悪い。そのため減便すべきという議論が出ている。

そればかりか、改良プロペラ機(高速道路に平行する国道のバイパスですよ)の導入に投資している(しようとしている)。

こんな馬鹿なことはあり得ないが。日本の道路ではこれが現実なのだ。



◆さらにたちの悪い道路。性能の低いジェット便(高架道路をつくるのに設計速度60km?)を就航させることを前提に、プロペラ機を先行して投入し、ジェット便が投入されてもプロペラ便は存続せざるをえない。