日本で交わされる道路の議論の多くが…

「私の知る限り、日本の道路交通政策について論じているBlogの中でも指折りのもの。」前回、引用・TBさせて頂いた「やまがたあんな道、こんな街」さんから自負心をくすぐる大変有難い評価を頂きました。

そのエントリーで、日本で交わされる道路の議論の多くについて、とても良い表現で書かれていますので、その部分を紹介させてもらいます。

先の道路公団民営化の議論において、(私も含めてだけど)推進委など多くの人間が「道路交通政策」ではなく「有料道路政策」というこじんまりとした枠から抜け出せずに論じてしまったゆえに、道路交通政策が複雑化し足踏みしてしまった感はありますね。
某馬鹿作家はさらにこじんまりとした「日本道路公団解体政策」という枠で論じていたのでこれはこれでどうしようもないけれど。

まさにこれです。こちらでは某○○作家とまでは言わないですけど(笑)。

地域であちこちに造りかけの道路がある理由の1つ

以前masa様から頂いたコメントから

感覚的なことをお許しいただけるなら、柱だけ立っていて何年も橋梁をかけないものや計画は何十年も前にあるのに実現しないものなどは、そもそも計画がずさんだったといわざるを得ません。

事業規模が違う道路の話なのですが、前々から気になっていることを少し書きます。

私の住む地域でも、あちらこちらの道路を同時並行に手を付けて、なかなか開通しない。ということはあり、問題を感じています。投資をしても開通して効果が出るまでに大きな遅れがあると、その期間に得られた利益を失う(損失をそのままにする)ということで、社会全体へ広がる投資効果が低くなってしまうからです。

こういったことが起こる原因の1つとして観察できることは(県の地域土木事務所が発注する事業:県管理の国道や県道の例で)、建設業者の担当範囲がおよそその業者の属する市町ごとに振り分けられていて(おそらくそれぞれの分担地域内で指名入札が行われているため)ある建設業者ができる範囲の事業量でそれぞれの事業をすすめる。ということが、各地区で行われているために、あちこち造りかけ、の状態が続くことになっているようです。

近隣市町の10km/h程度の距離なら、建設現場への通勤時間もたいしたことはないでしょうから(道路がまっとうなら30kmでも40kmでも…)、地域でまずはここを開通させる、という道路を決めて、そこに周辺地域の建設業者を集めて工事をすることが必要でしょう。


これに関連して、九州地方整備局では、「ちゃくプロ」という取り組みがされています。google

選択と集中、無駄なくスピーディにサービス提供する「5年で見える道づくり」の考え方に基づき、着実に重点的に整備する事業を「ちゃく2プロジェクト」(“ちゃくちゃくぷろじぇくと”=通称“ちゃくプロ”と読む)として選定しています。
熊本県も追随しているようです。熊本県土木部道路整備課

取り組みそのものはとても良いでしょう。でも中身はどうしても問題だらけなのです。例えば、交差点改良(ロンポワン化が望ましい箇所もあるのに)や自歩道の整備(自転車を歩道に通すバカ自歩道は駄目)は本当にもうしばらく待ってもらいたいのです。