道路財源の議論を拡大する


まずは愛知国道事務所の広報を見てください。(PDFで図も見てください)
清洲JCTの連絡路の開通
【2月25日より、国道22号一宮方面から渋滞ポイントの朝日交差点を通過せずに高速道路へ直接乗り入れが可能に!】




そもそも、渋滞ポイントの朝日交差点を作ったのは誰だ!

本来、渋滞ポイントというのは、設計で想定したより交通量が多くなって起こるもの。のはず。

しかしここは、はじめから渋滞ポイントとなるように設計、建設しているといって過言ではない。

なんですかこれは。

しかも、日本ではこういうことは例外的でなく普遍的なことなのです。



普通の国なら、国道22号は完全立体交差道路(いわゆるフリーウェイ)になっているはずなので、その後に建設された東名阪道との清洲ジャンクションは普通のジャンクションになっているはず。


しかし日本では、下記のようなどうしようもない道路整備をしている。


1:国道22号をフリーウェイに改造してこなかった。(莫大な経済損失)
  そして、何十年もたってから有料で十分に活用されない高架道路を建設。

2:自動車専用道路(東名阪)と幹線国道を同時に併設。(基本的に誤り)
  副道か側道として地元用の一般道がある分には問題ない。

3:その上、新設の幹線道路であるにもかかわらず平面交差の信号交差点方式としているため、渋滞ポイントを新たにつくっている。(とんでもない誤り)


結局、追加工事で費用が必要になっているわけですが、
無駄な道路という議論をしている人たちには次の2点についても、ぜひ考えてもらいたい。


基本的な設計思想が誤っていること。
高規格な道路と一般的な国道の財布が分かれてしまっていること。


道路特定財源を廃止して一般財源化するだの10年維持するだの議論されていますが、
どちらに転ぼうとも、日本のどうしようもない道路整備のあり方は変わらないのです。
いろいろな意味で、もっと根本的な議論が必要です。
この点と、こういった議論が全くないことが本当に残念であり、情けない。そして変えたい。


最後に、これまでに建設した(してしまった)どうしようもない道路を直す「道路構造改革」のために、道路予算の「確保」を提起します。

暫定税率問題はガソリンと軽油を分けて考えよう

久しぶりの更新です。
ずっと止まっていますが、諦めてはいません。
上手く言えないですが、改革が現実に進んでいないことは確か。



最近は、道路特定財源暫定税率がどうなるのかとても気にかけている。

道路四公団の民営化の時と同じで、本当の意味で道路をどうするのか、という議論が全くない。
どこまで行ってもこんな道路政策しかできない国なんだと諦めて捨て台詞として言うなら。「道路構造改革をせずに、今までと変わらない道路整備のやり方をつづけるなら、道路予算が増えようが減ろうが、まっとうな道路にはならないことは同じなのでどちらでもいい」などと思ってしまう瞬間もある。


でも諦めてはいないので持論を記しておこうと思う。


昨今の議論を聞いていると、ガソリンも軽油も同じ扱いをするようだが、不思議なことに、政党やマスメディアから、軽油暫定税率を定めた法律についての話を聞かない。・ようやく「地方税に関する日切れ法案」などという表現で出てくるようになった。
ガソリンと軽油暫定税率は別の法律で決められているので、それぞれ議決する必要がある。

ガソリンの方は「揮発油税法9条」に基本の税額が定められていて、暫定税率は今話題のごった煮法「租税特別措置法」の89条で決められている。

それに対して、軽油の方は、「地方税法700条の7」が基本で、暫定税率は「地方税法附則32条の2」で定められている。


これらは分離して議論した方がよいと考えている。
そして結論は、道路構造改革をするという大前提で、揮発油税は現状の税額を維持し、軽油暫定税率は引き下げる。


その理由の一つが消費量の違いだ。


ガソリンの一般家庭での消費量などたかが知れている。一回の給油に50リットル入れるとして、価格高騰分や暫定税率の廃止分といえる額である25円X50=1250円となる。通勤や買い物で自家用車を利用する家庭の給油回数は、月に2回程度ではないだろうか。そうすると月2500円程度しか変わらない。


軽油は事情が全く違う。日本では軽油は主に大型車が使用していて、業務で消費するため使用量が半端ではない。トラック業界で見ると、会社の規模や運行範囲にもよるが、月に数十万から数百万円が余計に消えている。ただでさえ利益率が低い業界なのに、軽油高騰で利益を圧迫し倒産すれすれの会社が多くなっている。トラック協会が求めている暫定税率の一部7円80銭を無くすことで、首がつながる運送会社が多いだろう。



ただしこれは、価格高騰対策として税率を下げる。という一面的な見方での議論にすぎないことを断っておきたい。本当に道路整備にいくら必要なのか、いくら使うのかをしっかりと見極める事も必要で、その額との兼ね合いも考えなくてはならない。また、トラック運送事業者に適正運賃が支払われるようにすることも必要だ。

民主党の参院選マニフェスト「高速道路の無料化」に勝手に追加説明

 (本当は高速道路ではなく自動車道と書きたいところですが、ここでは通例に沿って高速道路で書きます。)


・一般道を通行している幹線交通が高速道路に転換すると、交通事故が減ります。

  □ 今は危険度が高い方へ「政策誘導」しているようなもの。
    高速道路(料金高いから避けて)→国道
                      混んでるから→地方道
                             混んでるから→抜け道  

  ■  事故発生率が低い方へ交通を転換させ、事故を減らす。
     抜け道交通→地方道→国道→高速道路


・不要、過大なパイパス計画を見直すことができます。

労働人口が減少する時代に備えます。

現在、トラックドライバーや営業マンなど、業務で運転している人の多くが、旅行速度30km/h程度の道路で移動していて、人的資源を大変非効率に使っています。これを、当たり前に高速道路を通れるようにすることで速度を引き上げ、移動時間を短縮させることで業務を効率化し、人手不足を抑えます。


・経路の関係で高速道路が使えない人にも利益があります。 
 日本の高速道路は市街地から離れた位置にあることが多く、通りたくても遠回りとなり使えないという人が多いのも事実です。しかし、幹線交通が高速道路に転換することで、一般道の混雑が解消、緩和され、旅行速度が向上し、移動時間が短縮されます。

ちなみに、高速道路があたり前に利用されるようになると、一般道との移動速度の差から(特に日本は街路型一般道で遅いので)、自動車の移動経路は大規模に変わります。これは想像以上に広範囲の一般道に影響を与え、混雑緩和に役立ちます。是非、地図を開いてシミュレーションしてみてください。

 また、一般道の交通が減ると、交差点の信号機の撤去(無信号交差点化、ロンポワン化)が可能となるため、これによる旅行速度向上もかなり見込めます。
 


総合編:
今の政府は「縮小均衡」志向、これでは、それこそ国の借金は返せなくなる。お金の回りを良くして税収を増やすことが大事。そのために必要な政策の一つが国内観光産業の活性化。
都市部の市民が、楽しんで、喜んで、自ら地方にお金を再配分して、地方から国を立て直す。これだと、国と地方の間で中間搾取をする組織は無いので無駄が無い。高速道路の無料化(orあたり前に使われる料金への抜本改革)はこれに大いに役立つ。
道路をきちんと整備している一般的な先進国のモデルだろう。


他にも様々なメリットがあります。
忙しくて手が回らないのですが、選挙も近いので、何とか一部でもと思いアップしました。

気が付けば

2ヶ月も更新が止まっています。すみませんでした。
ちょうど就職活動が忙しくなった頃です。
そして現在、道路のユーザーとして、とても重要な位置にあるトラック運送事業者から話を伺うことのできる仕事についています。
今後、研究にも反映させて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

民主党の参院選マニフェスト(政権公約)

「高速道路の無料化」は、まだあきらめていなかったようです。
本当に良かった。
これから数回に分けて、改めて抜本的な料金改革の意味を考えてみたいと思います。
まずは、マニフェストの当該部分を引用しておきます。

3 経済・中小企業

4. 高速道路の無料化.
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高速道路は、一部大都市を除いて無料とします。
多額の投資をしながら有効活用されていない高速道路を生かすことで、地方を活性化するとともに、流通コストの削減を図ります。不透明な道路特別会計や官製談合などの実態を精査し、総合的な交通体系のあり方も勘案しながら、環境面にも配慮しつつ、具体的な無料化計画を策定します。無料化によってコストを削減するだけでなく、出入口を増設できることから、地方の高速道路が暮らしに生かせる道路としてよみがえります。また雇用の拡大、通勤圏の拡大、農産物、畜産物、水産物消費地への流通コスト、時間コスト削減は、農林漁業など生産者の基盤強化にもつながります。民主党は、この政策を実現するために、高速道路原則無料化の基本方針と無料化に向けた道筋を示す「高速道路事業改革基本法案」を提出しました。国道管理業務・高速道路を中心とする道路維持管理のために設立する複数の法人等での受け入れで雇用確保に万全を期します。

−道路構造改革のあいうえお−


なたとあなたの愛する人が事故に遭わないように

まやらないでいつやるのか

えを見たらきりがないができる限りやろう

こにも良くない燃費の悪い道路はさよならだ

わりのない改善をつづけよう

日本初?イオンのショッピングセンターに駐車場へのアンダーパス。

イオンのショッピングセンター繋がりの話題を1つ。
昨日開店した大垣店には、日本では珍しく(というより初めて見ましたが)前を通る大垣環状線から右折して駐車所に入る交通のためのアンダーパスがあるようです。(出る方は信号交差点経由?)イオン大垣ショッピングセンター アクセス


ただ、イオンのサイトにあるアクセス図ではそうなっていますが、他のネット地図ではそう見えません。実際にどうなっているか知っている方お知らせ下さい。他の場所のアンダーパス情報もご存じでしたらお願いします。


フランスでは、幹線道路に面したショッピングセンターでは標準的なインフラなのですが、ようやくといった感じです。これで、ショッピングセンターと無関係の交通が渋滞に巻き込まれることは軽減されるでしょう。出店者の義務ですよ、これは。


まあ、大垣環状線が街路規格の信号だらけ道路なのでそもそも遅いのですが。