祝えない道路公団民営化

道路関係四公団が廃止され、6社の高速道路株式会社になりました。


日本道路公団(JH)の高速道路会社化は、「道路」のほとんどを「高速道路」にしてしまった事を意味します。

自動車が自動車らしい速度で合法的に走行できる道であり、自動車交通に頼る社会の基本的な道である狭義の「道路」が、日本では、限られた路線にしか存在しません。それ以外の道のほとんどは、諸外国の街路なみの速度しか出してはならない道なのです。

基本的な道路が整備済みの経路に平行して整備された自動車道路を、有料制度で運用している国は数多くありますが、基本的な道路で有料制度を採っている国は、日本以外にはありません。(橋やトンネルなど特別な部分を除く)

その道路も一般には高速道路と呼ばれてしまっていますが、日本道路公団という名称に限っては、実際に日本の「道路」を整備していたので、ばかな話ですがある意味適切でした。しかし、今回、この基本的な道である「道路」は、特別な道としてとらえられる「高速道路」になってしまったので、日本の道の多くが高速道路と、街路なみの道に二極化されることとなりました。諸外国にある普通の「道路」が日本にはほとんど無くなったのです。


民営化によって「道路」を整備する組織が無くなってしまったかのように思えます。しかし違うようです。

大型貨物車などが通行料金の高い「高速」を避けて「下道」を走る問題は解消させることなく、自動車道が平行しているにもかかわらず混雑する国道に、設計速度80km/hのパイパスをあらためて「道路」として建設するという愚かな行為を、国はこれからも続けると、暗に名称で宣言しているのでしょうか。


また、本州四国連絡橋公団まで高速道路会社にしてしまうことからも、道路や自動車道について無理解であることがわかります。

本州四国連絡高速道路株式会社」(本四高速)というように、「橋」を抜かした名称を付けるなら、「本州四国連絡道路株式会社」(本四道路)でよいのです。