高速道路と一般道はほとんど変わらない感覚で使えるのが世界の常識。

民主党が無事に大勝し、高速道路無料化についての議論が引き続き盛り上がりを見せています。
ネットで見付けた気になるいくつかの記事にコメントしたいと思います。


トニー四角の穴を掘って叫ブログさんが、無料化の意義を上手くまとめてくれています。

高速道路無料化による国交通省経済効果試算の驚くべき事実
http://d.hatena.ne.jp/Tony_Shikaku/20090906/1252203134

この関連記事にコメントがあるのですが、それも気になりました。

馬渕澄夫シビックミーティングに出かけて思ったこと
http://d.hatena.ne.jp/Tony_Shikaku/20090810/1249911866#c

高速道路が無料なのは世界の常識。有料の日本は世界の非常識。自民党の愚作です。
時速50キロの一般道と100キロの高速の違いだけの道路を自民党によって高速道路が何か特別な道路にされてしまった。国民も高速道路が特別な道路だと思い込んでしまっているのが大きな問題。高速道路と一般道はほとんど変わらない感覚で使えるのが世界の常識。
高速道路の無料化は二酸化炭素を減らすための環境対策である。
そにしても、あんなに頭の良い馬渕氏を今まで野党にしておいたのは、本当にもったいない。それこそ税金の無駄使いだった。

高速道路が無料なのは世界の常識。との一段は認識が稚拙だとは思いますが、その後は傾聴に値します。

中でも、高速道路と一般道はほとんど変わらない感覚で使えるのが世界の常識。
というのはとても重要です。

これまで私も折に触れて同じことを言っていましたが「あたりまえのように使う」などと表現してきました。もっとわかりやすい表現はないかと思っていましたが、それをみごとに的確に表してくれています。これから使わせて頂きます。

高速道路無料化と売れ筋自動車の車種の変化

高価なハイブリッドよりも次世代型の高性能ディーゼルエンジンへの期待が高まり、ヨーロッパと流れが合致する。

高速道路の無料化は、自動車産業の将来へも寄与する多大な経済効果が期待される政策だということを、マスコミの皆さんは一生懸命に広めてください。

駒ヶ根に想う】 駒ヶ根から社会を理解するさん
http://d.hatena.ne.jp/komachan/20090906/p1 より

日本では、利益率の低い車種ばかり売れてしまっている。という話を見た覚えがあるのですが、それは、一般道の規制速度が遅く、高規格な道路の利用機会の少ないことが多い(=自動車が自動車らしい速度域で使われる機会が少ない)ためだと考えられます。無料化により自動車を“走らせる”機会が増えれば、軽自動車や街乗り重視のコンパクトカーから、コモンレール式の高性能ディーゼルエンジン車などに乗り換える人も増えるに違いないでしょう。

二酸化炭素の排出量削減について

「一般道の渋滞が解消されて」と言われますが、正確性に欠くと思います。

もちろん渋滞解消による削減も寄与することは間違いないのですが、もともと燃料効率の悪い領域の低い最高速度の中で、さらに度々、信号の影響を受けストップ&ゴーを繰り返すことが、ますます燃費を悪くするのです。

また、そんな一般道を走行するより、渋滞といいながらも、時速40km程度で流れる自動車道の方が燃費はよいはずなので、高速道路が渋滞して排出量が増える、というのもある程度の間違いを含んでいます。


ところで、今回、国交省が存在を明らかにした試算では、割引前の1.8%減にあたる年間310万トンが削減されるということですが、少なすぎる気がします。

JAFの資料 http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/image/h20youbou.pdf では、高速道路分担率(走行台キロベース)で

20%になった場合年間430万トン減
30%になった場合年間1,100万トン減 (社会資本整備審議会資料)

となっています。幾ら無料化されても走行台キロで30%まで行くとは思えないので、20%だとしても、100万トンの開きがあります。なぜこれほど違うものなのか気になります。


もっとも、二酸化炭素温暖化主因説はあと5年もすれば化けの皮が剥がれると思っているので、CO2排出量などどうでもよいと思います。むしろエネルギー確保や安全保障の観点からの省エネが必要です。