既存の信号交差点をラウンドアバウト化-日本で初めて?

長らくご無沙汰しております。

新東名の開通、軽井沢のラウンドアバウト、他色々と話題はありましたが、
なかなか更新できずにおりました。

しかし、この話題は更新せずにいられないですね。

祝!

飯田市東和町交差点で、日本国内で初めて、既存の信号交差点のラウンドアバウト化が行われました。

飯田「ラウンドアバウト」 信号撤去し運用、全国初 信毎web

信号なし「ラウンドアバウト」 長野・飯田で5日から運用 中日新聞


って、ちょっと待ってください!

飯田市の先進的な取り組みには敬意を表したいところですが、

これは、似非ラウンドアバウトもしくは旧来のロータリーの改良版と言えるくらいのものであって、

決して、現代的ラウンドアバウト(modern roundabout)ではありません。

したがって、本当の「初」とは残念ながら言えないのです。


しつこいですが、これまでも書いているように、

環状道路への進入前に一時停止が義務付けられている以上、本物のラウンドアバウトではないのです。

「譲れ」の道路標識で進入車両を制御するのが本物です。



一時停止義務のあるラウンドアバウトをそう呼んで普及させてしまうと、

日本は相変わらずのガラパゴス振りで、独自の道を進むことになります。

突然変異の奇形種を普及させることは大変な問題であります。


交通法規上、大きな問題を抱えたままの見切り発車はいけません。

一時停止をしなくてもよい道路構造にしておきながら、交通法規では一時停止を強いるという齟齬は、

交通法規の軽視を助長するだけでなく、法治国家の体を成していません。

また、本来のラウンドアバウトの気持ちよさ=「遅れ」の少ないこと、をスポイルしています。



もう何年も前になりますが、名古屋大大学院の中村英樹教授(交通工学)のお考えを

研究室の方からお伺いしたことがありますが、あまり重視されていないようでした。

勝手な想像ですが、おそらく先生もこの問題はわかっていらっしゃるのでしょう。

「譲れ」規制と標識の導入という、優先権にかかわる重要な道交法の改正という大事には、

様々な問題が周辺に存在することもわかります。

道路交通は、常に道路構造と交通法規とともにあるのです。

今後の普及のために、法律面の専門家と、立法関係者も巻き込んで、早急に解決スべきです。



飯田市広報 http://www.city.iida.lg.jp/iidasypher/www/info/detail.jsp?id=9901

飯田ケーブルテレビ 東和町ラウンドアバウトライブカメラ
一時停止してない車がほとんど。
          

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ちなみに、久しぶりにwikipediaを開いたら「ラウンドアバウト」のページがかなり充実していました。喜ばしいことです。