4年しか使われなかった道路標識(これも道路予算の無駄)


道路特定財源問題で、本質的な道路の議論とは別な無駄が話題になりました。そちらの追及も欠かせないですが、ここではやはり道路整備そのものに見られ、しかも日本特有と思われる無駄を取り上げてみます。


先日、国道23号の豊明〜大高間(下り)で、案内標識のリフレッシュが行われました。

標識BOX(道路標識に関する意見箱)等を通じて、道路利用者から、「目的のIC入口(出口)がわかりづらい」との声を多くいただいていました。(名古屋国道事務所)http://www.cbr.mlit.go.jp/meikoku/kisha/pdf/20080206_kisya.pdf


実はこの標識、4年前に設置したばかりなのです。
(施工したキクテックさんのページで確認できます)
標識柱はそのまま使うようですが、標識版を取り替える費用は本来なら必要のないため、無駄だといえます。リフレッシュなどといっていますが、言葉が間違ってると思います。


おそらくですが、こんな無駄なことしているのは日本だけです。


なぜそう言えるかというと、諸外国では案内標識の設置基準が、複雑な道路網にも対応するように定められていて、運用もきちんとされています。そのため、わかりにくいということはまずありません。
もしかすると多少の修正はあるかもしれませんが、
これほど大規模に付け替えなければならない事態はまず起こりえないのです。

それに比べて日本では、案内標識の設置基準が満足できるものではないため、単純なうちはどうにかなっても、複雑になると対応できなくなり、その場その場の例外的な表示や法定外標識で対応しています。この問題は、日本中の案内標識を見みれば明らかです。


標識そのものは交通の教則にも載っていますが、設置基準は「道路標識ハンドブック」に示されているようです。
社団法人 全国道路標識・標示業協会 発行25000円也

残念ながらまだ見たことがありません。
是非見たいですが、見たら憤慨するかも。

とにかく、道路案内標識システムの抜本的な改革を提言します。


さて、中身の議論に入りたいと思います。
論点はさまざまありますが、ここではリフレッシュポイント3についてだけ述べます。


おやおや、また法定外標識を増やしてしまいましたね。
(白地にして如何にも法定外らしさを演出?)

この標識自体はわかりやすいのでよいのですが、法定外標識をどんどん増やして基本の標識を補完する形はよくありません。外国ではこのような形式は法定標識になっています。つまり、これが法定標識となっていれば、始めからこれが設置されていて付け替える必要はなかったわけです。


フランスの例


<参考>
フランスの方向標識一覧のページ

国交省道路局>案内標識一覧