名古屋高速、東片端JCT、区画線の改善案


東片端JCTから1号楠線(北)に向かう本線は2車線ありますが、(写真1)や(図1)でわかるように、都心環状線の左車線の幅が広がって、継続線で都心環状線と分離された後に2車線に分ける区画線が引かれています。


路線図のリンクです。参考にしてください。
名古屋高速道路網図(NEW MAP)
名古屋高速道路路線図


東片端JCTの問題点

別の場所に写真を用意したので、それを表示して見ながら読んでください。

1 渋滞・混雑

都心環状線を出て1号楠線へ向かう交通が、左車線にかたよっています。(写真A)

一旦、1車線に絞られて交通容量が抑えられているため、このように混雑して車間距離が短くなって危険です。また、速度も低下します。


建設が進む6号清洲線や4号東海線との関係もあります。

これらの新路線が開通すると、都心環状線の交通量は増加します。このため、交通が左車線にかたよることで起こる混雑が、6号清洲線が接続する明道町JCTまで到達して、都心環状線から6号清洲線への退出や6号清洲線から都心環状線への流入を妨げてしまうかもしれません。

2 交錯の危険

分岐してすぐ2車線になることを知っている運転者の中には、分岐のゼブラゾーン直前まで中央車線を走り、継続線を越えて直接カーブ外側の車線に入ろうとする人もいます。(特に混雑時)

また、このJCTの構造をよく知らない場合は、左車線に移動するのが遅れて、分岐直前まで中央車線を走ってから、車線幅が広がった部分や、継続線になってからそれを踏み越えて、ようやく車線変更をすることもあります。

(路面標示を見ると左車線に「小牧」と書いてありますが(写真B)、小牧がどこにあるのかわからない人もいるでしょうし、標識を見る限り(写真A)左に寄る必然性は認められません。車線指示方式でない案内標識による欠陥です。)

こういった車線変更は、太い継続線がかなり消えかかっているのを見ると、少なくないことがわかります。 (写真C、D、E)


逆に、左側の車線を走行して分岐地点まで来ても、車線が増えるところでカーブ外側に移動しようとする人もます。


このような外と内からの車線変更が同時に起こると危険です(図1の赤線とXは一例)。両者とも「まさか」と思うような場面でしょう。


東片端JCTは、そもそも道路構造、標識、区画線に問題があり改良が必要な地点ですが、特にこれからの交通量や高齢運転者の増加に備えて、これらの問題は解決しなくてはなりません。


改良案を提示します。


この改良の課題は、次の2点です。

中央車線も有効利用して、楠方面の交通を円滑にJCTを通過させること。
危険な交錯の可能性を無くすこと。


これらに対応したのが改良案(図2)です。

自然な流れを妨げる区画線(ずいぶんと早く車線変更を禁止する継続線)と、メリハリのない広い空間を無くして交錯の危険を無くすとともに、中央車線も有効利用できます。


ただ、このままだと、中央車線から左へ出る流れのカーブがゆるく、だらだらしていてよくないので(写真D〜)、『中央車線を「出る」』という行為に、より一層メリハリをつけるために(図3)の赤線のように線形を変更することも考えられます。この場合、細いゼブラゾ−ンを設けて、左車線と中央車線の分離をより明確にし、より交錯を防ぐことができます。


いずれにしても、標識で中央車線はどちらへも行けることを明示する必要があります。
このように、本当は、路面標示の改善とともに、標識も変える必要があります。しかし、都心環状の右カーブの後すぐに東新町出口があり、適切な標識を考えるのが大変厄介なこと、そもそも問題があり話が複雑になるため、別の機会にまとめます。