スローライフは早い自動車交通の国から生まれた

みんながもっと“スローな生活”を営めば仕事のストレスや事故も減り、やがて交通事故も減らすことができるのかもしれません。
交通事故が最も多い12月 janjanより

確かに、ストレスが減って運転が穏やかになれば幾らかは減りそうです。でも、この文章の根底には、日本人にありがちなスローライフというものへの勘違いがあるのでしょう。
 

スローライフ(Slow Life)とは、生活様式に関する思想の一つで、地産地消や歩行型社会を目指す生活様式を指す。日本ではスローフードが拡大解釈されて浸透した言葉。 【wikipedia


スローライフとはどういうものなのか、ということについて、スローライフ・ジャパンという団体の紹介文にとてもわかりやすく書いてあるので紹介します。

私たちは、スローライフをキーワードに、生き方やまちづくりを考えています。スローといっても、何でも「ゆっくり」ではありません。
要は、「ゆっくり」と「急いで」と、「スロー」と「ファスト」を、上手に使いこなすことが大切。
“緩急自在”こそが本当のスローライフと考えます。

keyword:スローライフ こちらの説明も要は同じことですね。


スローフード発祥の地イタリアでは、アウトストラーダ(自動車道)の法定速度は130km/hと高いですが、あまり取り締まりがないのでとんでもないスピードで走っていることもしばしばですし、そのほかの道路でもあたりまえに日本で言う“高速”の領域の速度で移動しています。いい悪いは別として移動はスローではありません。


都市の人が田舎に遊びに行くのもファスト、田舎の人が近くの街にいくのもファストで、移動時間の無駄が少ない分生活に時間的なゆとりが生まれます。


日本では、地上交通に関していうと“急”の方が早いのは新幹線くらいで、自動車などはいやがおうにも“緩”なので、そこで失っている時間は忙しさや不自由な拘束時間へ転換し、豊かさが感じられない社会をもたらす一因となっているのでしょう。


今からでも、できる範囲で自動車の移動から無駄な時間を減らして、ゆとりへ転換させたいものです。