こんな交通教育なら、しない方がマシだ

前回のエントリー、日本では「完全な」どころか、まったく確認していない人がかなり大勢いる。という話と関連して、レスポンスに掲載された、東京臨海新都心のMEGA WEB(メガウェブ)で、日本自動車会議所が主催する交通安全啓発イベント「交通安全。アクション2006」が開催されるという記事の写真から気になったことを書きます。(気になったと言っても、分かり切ったいつものことなのですが)


まずは、交通安全指導というタイトルの写真を見て下さい。
最後の女の子を除いて、自動車が来る方向を見ずに渡っています。
走っている子もいて大変危険です。


大人たちは、「青信号だよ、早く渡りなさい!」といい、
子どもが轢かれたら、「安全なはずの青信号」などというとぼけた言葉を吐きます。
大人自身が自分の目で交通を確認していないのだから、子どもに教えられるわけがない、これが日本の交通教育の実態です。


こんな歩行者交通教育ならしない方がマシです。
完全に動物的な自己防衛本能だけで行動した方が、よほど事故に遭わないのではないでしょうか。



代わって、普通の国の普通の人達の行動を見て下さい。


ここはフランスのルマンです。バスを降りて、道の反対側にあるショッピングセンターに向かう若者たちです。片側2車線(往復4車線)あり、たしか、内側の車線には信号で停止している車両がいない状態でした。


彼らは、たとえ歩行者用信号が青でも、まずは左から来る恐れのある内側の車線から、自分の目でしっかりと確認しています。しかも、まだ外側の車線にいて内側の車線が見えにくいうちから首を回してまで確認しようとしています。そして、内側の車線に出る時には、のぞき見るように確認して行きました。


日本で、受け身的に視野に入るものだけしか見えない人や、見やすいなら見るとしても、見えにくいと見ようとしない人が大勢いるのとは大違いです。もし日本でこの写真と同じ状況があったなら、どれだけの人が彼らと同じように確認するでしょうか。 


藤田兄弟は、この時だけではなく、視察旅行中に横断歩行者を見る度に、
オ、オ、オオ、みんなちゃんと見てるよ、見てる見てる!」と、感心して声を上げていました。本当はこれが当たり前でなくてはならないのです。

でも日本ではいつもこうです。
「ああ、ああ、見てない、見てない!この人もだ。危ないなあ。」


諸外国と日本の違いは、雑誌の写真やテレビに映る街角でも大変よくわかります。今度この視点で写真や番組を見比べてみて下さい。
あ、ほんとだ!と発見するでしょう。