対距離課金制度−JANJANの書評の補足など
JANJANの書評から見に来てくれた方のための補足など。
対距離課金制度(走行距離課税)の世界各国での最新情勢については、元道路公団職員の織方弘道氏が運営する、有料道路研究センターhttp://www.tollroad.org/に詳しいのでご覧下さい。
世界の有料道路 概要と最近の動向
アメリカ「走行距離課税」VMT Fee “全ての道路の有料化”
オランダの「走行距離課税」
ほか、
余談ですが、実に軽薄な情報ばかりを流すマスメディアの怠慢さに比べて、一個人でこれだけの情報を発信されていることはすばらしく、貴重で、ありがたく思っています。
上記は、政策や技術の面から見た対距離課金制度でしたが、具体的にどの道路で、どの車種に、どの位の料金を課金するのか、という研究は交通経済学の分野ですすめられています。
例:一橋大学の根本敏則教授 対距離課金による道路整備

- 作者: 根本敏則,味水佑毅
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2008/10/30
- メディア: 単行本
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この内容の要約版といえる記事は、2月3日付日経新聞朝刊「経済教室」(道路課金を考える上)に載りました。
さて、高速道路の無料化政策を掲げる民主党です。
いまや、無料化を進めれば公共交通の運営事業者や環境団体から反対され、無料化を滞らせるとマニュフェスト違反だと言われるようになっていますし、財源の面でも苦慮していることだと思います。
いろいろ考えると、もう、拙速な(とは当事者たちは言う必要はないですが)高速無料化から議論を飛躍させるべきでしょう。つまり、夏の参院選のマニュフェストに、自動車関連税制を含めた対距離課金制度への転換を掲げるべく、研究を急いで始めるべきです。
残念ながら、ウェブではまだこの制度を採り上げた記事はほとんど出ていません。諸外国で始まろうとしているのに対して、議論にすらなっていないほど遅れているのが現状ということでしょう。
時代の流れで、ゆくゆくは日本でもこの制度になると思いますが、たまには政治も、西洋からの遅れを急速に縮める働きをして、民衆を唸らせることがあってもよいのではないでしょうか。